Dog
あのさぁ?

Robo
はい!?

Dog:今更だけど、「RPA」って、「AI」なの?

Robo:あぁ、よく勘違いされますけど、違います。将来的に融合されることは確実だと思いますけどね。

Dog:そうなんだ。

Robo:何かありました?

Dog:うん、最近よく「AIが人間から仕事を奪う」という記事を見るんだけど、本当なの?

Robo:なるほど。答えから言えば、本当ですね。いきなりゼロになる訳ではなく、10人でやっていた仕事が2,3人で出来るようになるといった感じですけど。

Dog:やっぱり、奪うんじゃん!

Robo:まあ仕方がないですよ。バックオフィスの仕事は、本来そういう性質のものであり、細かい単純作業の塊ですからね。一部の専門的な部分を残して、自動化されるのは時間の問題です。むしろ、日本は先進国と言われながら、先進国の中でも最低の生産性ですから、バックオフィスの自動化は急務でしょうね。

Dog:えっ、そんなに日本ってヤバイの!?

Robo:数字から言えば、そうですね。もし、会社のトップがカルロス・ゴーンさんみたいな人に変わったら、ほとんどの会社はバックオフィスの人員が半分近くまで減るんじゃないでしょうか。

 

AIの本質と過去&未来

このブログはそもそも「RPA」についてまとめているものですが、「AI」と「RPA」は切っても切れない縁なので、「AI」について少しお話したいと思います。

「AI」は、「Artificial Inteligence(人工知能)」の頭文字をとっています。

ここ数年、いきなり登場してきたような印象がありますが、実はこれ「第三次AIブーム」なのです!

つまり、過去に2回ブームがあったのです。

40歳以上の方であれば、「ファジー機能」といった単語を聞いたことがあるかもしれません。

あれもAIの1つと言えるでしょう。

重要なのは、どうして過去2回のブームは消滅したのに、今回の3回目は凄く盛り上がっているのか?ということでしょう。

 

■過去のAIブームが不発に終わった理由

過去2回が一時的なブームで終わった一番の理由を挙げると、ハードウェアの発達が不十分だったことだと言われています。

AIは、ビッグデータと呼ばれる巨大なデータをアルゴリズム(算法)に則って計算します。

皆さんがいつも使っているPCやスマホでも分かる通り、重い処理をするには、高性能なCPUとメモリが必要になってきます。

それが、当時のコンピュータでは非力すぎて、使い物にならなかったのですね。

コンピュータの脳と呼ばれるCPUですが、過去30年前と比べた際には、なんと50万倍!処理が速くなっているそうです。

逆に言えば、30年前は50万分の1の処理スピードしかなかった訳ですから、どうしても玩具の域を出ないのは仕方がありません。

それがようやく、仮想化技術やクラウドサーバなどの登場も相俟って、今までのアイデアが実現できるようになってきたのです。

 

もう1つ、この3回目のブームが盛り上がっている理由を付け加えるなら、ハードウェアの進歩に伴って、新しいアルゴリズム(算法)も出てきたことでしょうか。

機械学習の1つである「ディープ・ラーニング」と呼ばれる手法がその代表的なものでしょう。

機械学習・・・明示的な指示を用いることなく、その代わりにパターンと推論に依存して、特定の課題を効率的に実行するためにコンピュータシステムが使用するアルゴリズムおよび統計モデルの科学研究である。 (Wikipediaより)

ディープ・ラーニングにより、画像認識の技術も飛躍的に改善され、コンピュータが写真をみて「これ、猫の写真だ!」と認識できるようにもなりました。

人間が「猫」を見て、「猫」だと認識するのは簡単なのですが、コンピュータには難しいのです。

なぜなら、コンピュータは「0」と「1」で処理しているように、曖昧な部分が無いのです。

つまり、人間がコンピュータに「これは猫だ!」と教えたいのであれば、「猫を猫たらしめる特徴」を具体的に教えてあげる必要が発生するのです。

 

皆さんに質問ですが、「猫の特徴って何ですか?それが、似た生き物である犬ではなく猫であるといえるポイントとは?」

これは実際に考えると、凄く難しい質問だということが分かります。

私も周りの人に何度か質問したことがありますが、

A「毛が生えている!」  ⇒ 犬も生えていますよね?

B「足が4本!」  ⇒ 犬も同じですよね?

C「体が小さい!」  ⇒ 子犬だったら?

といった具合に、猫だけに当てはまる「特徴」を言葉で表現するのは、とても難しいのです。

これをAI技術者達は、様々なバロメータに分けて、数字の加減にて画像認識を行っており、その調整はいわゆる職人芸であり、毎年国際大会があるほど難易度の高い作業だったのです。

ディープ・ラーニングの技術は、その「特徴量」と呼ばれる数値をコンピュータが自ら算出し、人よりも高精度で設定できるということを実現したのです。

ディープ・ラーニング登場後、2012年にはGoogleが1000台のサーバを使い、3日間かけて、猫の写真を見て、コンピュータが猫だと認識できるようになった!というのがニュースにもなりました。

これはどうして大ニュースとして取り上げられたのか?というと、我々が明確に表現する(分ける)のが難しい部分をコンピュータが自動的に判断してくれる可能性を示しているからです。

この時期あたりから、世界中のお金を持っている企業がこぞってAIに投資し始めた気がします。

 

■AIが本来持っている強み

現時点の「RPA」は、クラス1と呼ばれる「反復作業」において力を発揮するレベルです。

クラス2からは、「AI」が絡んでくるのですが、上記の通り、明確な区分けができない、もしくは我々がうまく違いを表現できない作業も処理できる可能性がコンピュータにはあります。

これが「AI」の凄さであり、怖さでもあります。

今のプログラミングでは、明確な設定をしておかないと、少しでも規定以外のことが起こるとエラーですぐ止まります。

しかし、「AI」が成熟してくると、自動的に「良きに計らってくれる」のです!

つまり、「白」と「黒」だけでなく、「グレー」も認識してくれて、どんどん賢くなってくれるので、人間がコンピュータに教えるのが難しい複雑な作業もこなせるようになっていきます。

これが「機械学習」の成果です。

機械は「忘れる」ということが無いので、知識が貯まっていくと飛躍的に精度が上がるという特徴があります。

いわゆる「指数関数」で成長していきます。

人間は、「0⇒1⇒2⇒3⇒4⇒5⇒6⇒7・・・」ですが、コンピュータは「0⇒1⇒2⇒4⇒8⇒16⇒32・・・」となり、人間が「30」進んだ時には、コンピュータは「536,870,912」ということで5億!以上も先に進んでいることなるのです。

それを知らない人達は、「機械が人間に取って代わるなんて、100年後とかの話でしょ!?」という結論を下しますが、思っているよりも数十倍早く実現すると思います。

 

突然ですが、みなさん「Google翻訳」を使ったことありますか?

私も最初に使ったのは、10年くらい前でしょうか。

当時は日本語⇒英語で、翻訳レベルがとても低く、とても使い物にならないと感じたことを覚えています。

それがここ最近使ってみると、思いのほか、日常で使えなくはないというレベルになっていることに気づきました。

日本に旅行で来ている外人さんとかも、お店でスマートフォン片手にGoogle翻訳を使っていたりもしますね。

Google以外でも商用の翻訳ソフトでは、TOEIC900点を超える精度のものが登場しており、専門の人が訳するのに1日掛かるようなテキストを僅か数分で翻訳してくれるような状態になっています。

テキスト文章を高精度に翻訳できるようになれば、音声認識の発達に伴い、スピーキングやリスニングも同じような恩恵を受けることができるのは容易に想像できます。

 

個人的には車の自動運転も、技術的にはもう数年で完成の域に達すると思います。

法整備に関しては、「レベル5」になった段階で、もう事故の責任はメーカーということになるでしょう。

メーカーは、保険会社と連携して費用を捻出することになり、それが世界標準となり広まっていくのでしょう。

当然、事故0ということにはならないと思いますが、人間が運転するよりも安全性は高く、その利便性は多くの人に受け入れられ、法整備は思っている以上に早く進んでいくと思います。

道路上の車がほとんど自動運転の車に切り替わるには、30年くらいかかるのかもしれませんが、自動運転が普通になるのは、乗り換えの期間を含めてもあと10年ちょっとでしょうね。

 

■AI発達に伴うRPAの変化

話が逸れましたが、RPAによる効果もしかり。

バックヤードで行われている作業も、ある日を境に…と思うくらいあっという間に自動化されると思います。

もちろん、10人で行っていた作業が0人になる訳ではなく、1人か2人くらいはオペレーターとして残されると思いますが、大幅に人員調整されるのは確かです。

我々の仕事は、どんどん減っていくのか?

イギリスの産業革命時にも、機械(蒸気機関など)が人間に取って代わり、生計を立てる為の仕事を無くすと心配した人達によるストライキが起こったそうですが、結果として別の仕事が沢山生まれました。

現在の状況を「第四次産業革命」という人もいますが、このイノベーションの次にはどんな仕事が生み出されるのでしょうか。

仕事がなくなった人達の受け皿となる新しい仕事がどんなものになるのかは分かりませんが、「機械が行うと割高になる作業(人件費の方が安い)」か「機械に出来ないクリエイティブな作業」になると言われていますね。