質問を受けました。

「パソコン初心者ですが、RPAツールをすぐに習得できますか?」と。

それに対して私は、

難しいと思います。」と答えました。

本当は私も、「大丈夫です!」とお答えしたかったところですが、それだと嘘になってしまうのです。

なぜ、パソコン初心者にRPA習得が難しいのか?

まず、ここでの「パソコン初心者」の定義としましては、
・Windowsを使う上で最低限必要となる単語(「アカウント」や「拡張子」等の意味)を知らない
・ショートカットキーを使ってのコピー&ペーストの操作方法が分からない
・キーボードを使って、\ @ [  ] ~ ; : * といった記号の打ち方が分からない

こういったレベルの人とします。

事務系の仕事を数年されていた方の中だと、このレベルの人を見かけるのは珍しいかもしれませんが、「ずっと営業職で、あまりパソコンを勉強する必要も無かった」という環境で仕事をしてきた人達の中では、年齢に関わらずこのレベルの人は全然珍しくありません。

 

では、本題に。

この説明をする為には、そもそも「RPAツールとは何か?」という説明から始める必要があります。

RPAツールは、人間が行うマウスやキーボードの動きを覚えて、パソコン上の作業を代行してくれるというものです。

ですので、いくらRPAツールの使い方を覚えたからといって、Excelファイルの編集を自動化する際には、Excel上での操作を手作業で実現出来る知識がないとダメなのです。

RPAツールは、今まで手作業で行っていた「キーの打ち込み」や「マウスクリック」の信号を、設定したタイミングで代わりに送ってくれるだけなのです。

RPAツール上での「ロボット作成」工程というのは、1つ1つの操作に該当するものをRPAツールの「パーツ群」の中から適切なものを選び、それを組み合わせていくことなのです。

つまり、RPAツールを習得することで、自動化対象のアプリケーションの操作習得をスキップ(回避)できるのか?というと、そうではなく、その作業を自動化する為には、その「アプリケーションの操作方法」と「作業手順」の習得が前提条件になるのです。

ちなみに、弊社が提供している「訪問レッスン」や「e-Learning」も、「RPAの知識ゼロからでもOK」と謳い、「RPA初心者・プログラミング未経験者」を対象にしたコンテンツを作成してはいますが、「パソコン初心者」までカバー出来てはいないと思っています。

もし、「パソコン初心者」でも理解できる内容ということになると講座自体がとても冗長になるため、その際には「パソコン基礎知識講座」と「RPA講座」という形で切り離し、別物として提供することになると思います。

パソコン初心者の方が、RPAツール習得を目指すなら

という訳で、もしパソコン初心者の方が「RPAツールの習得」を目指すのであれば、
・ITパスポートの資格取得
とか
・MOSのExcel(一般コース)の取得
といったことを優先し、資格を実際に取得するかどうかは別にして、とりあえずこういった基礎を終わらせた後からの方が良いかもしれません。

「急がば回れ」です。

もし、このあたりの勉強が「苦痛で仕方がない!」という方の場合、RPAツール習得の勉強はもちろん、長時間にわたるロボット作成もストレスに感じると思うので、残念ながらあまり適性が無いかもしれません。

 

また、先の話になりますが、RPAツールの操作方法を習得し、社内の業務を自動化しはじめると、別の問題に気付くようになると思います。

それは、「RPAツールでの自動化は、その範囲が広くなればなるほど、多くのIT知識が必要になる」という事実です。

例えば、Excelでの自動化(マクロ)は、通常、Excelのアプリケーションの中だけの話です。

しかし、RPAツールの強み&特徴として、「複数のアプリケーションをまたいで自動化できる」というものがあります。

仮に、インターネットからある情報を定期的に取得し、それをExcelシートに記入するロボットを作るとします。

その際には、
・Excel
・インターネット環境(ネットワークの知識)
・ブラウザ(HTMLの知識)
といった知識がある程度ないと、ロボットの安定稼働は望めません。

ですので、もし社内の誰かにRPAツールを習得して貰いたい!という場合、それなりに「やる気」と「適性」を勘案して人選する必要があるかと思います。

理想としては、
①キャリアップ(スキルアップ)として、RPA習得を本人が望んでいる
②パソコンを長時間使っていても、さほど苦痛にならない
③社内のアプリケーションをある程度使える。(もしくは、利用者の方に説明して貰えれば、短期間で手順程度は覚えれる自信がある)

この条件に近い人が社内にいらっしゃれば、その方に手を挙げて貰い、営業時間内での勉強時間を認めるといった社内のバックアップ体制を作っていくのが良いと思います。