Zapierって、聞いたことありますでしょうか?
似たようなサービスだと、IFTTTというのも有名ですね。
最近だと、マイクロソフトの方でも、「Flow」という名前で、同じようなサービスに力を入れ始めています。
これらを含めてどういったサービスかというと、簡単に言えば、
『Webサービスを連携して、自動化させるサービス』
です。
ちょっと基礎知識が無いと分かりずらいサービスだと思うので、説明しますね。
■SaaSとは?
WindowsXPぐらい迄でしょうか。
何かアプリケーションを利用したいと思った場合には、量販店などに行き、対象のDVDやCD-ROMを買って帰り、PCにインストールして利用する形態が普通でした。
それが今では、新品のPCにはDVDやCDを読み込む機器すら付いていないものが増えています。
なぜ、そんなことになったのでしょうか?
理由は、サービスの提供形態が、SaaS(Software as a Sevice)という形に移っているからです。
今でも量販店で同じように売っているアプリケーションもありますが、時代は完全にSaaSです。
SaaSで提供されているサービスというのは、ブラウザ(IE,Chrome,Edgeなど)を介してそのまま利用できます。
インストールする必要がなく、常に最新版を利用出来るメリットがあります。
あとは、処理を行うコンピュータは、インターネットの向こう側にあるサーバが受け持つため、高性能なPCを使わなくても良いという点もありますね。
言ってみれば、自分が使っているPCは、サーバ側で処理された画像を見ているといったイメージです。
■具体的に何ができるの?
最初に名前を挙げた「Zapier」とか、「IFTTT」などは、iPaasと呼ばれることがあります。
iPaaSは、Integration Platform as a Service の略です。
難しい話はさておき、簡単に言えば、SaaSとSaaSの間を取り持って、自動化させるサービスです。
具体的にみていきましょう。
・Outlookに届いたメールに添付ファイルが付いていた場合、自動的にDropboxに保存される。
・入金完了メールが届いたら、自動的にチャットワークにも投稿される。
・Dropboxに新しくファイルが保存されたら、One Driveにも同じものが保存される。
等々。
こういった感じで、アプリケーション間の連携を簡単に実現することが出来るのが、特徴なのです。
世の中にある有名なSaaSサービスの多くに対応しているので、これだけでかなりの利便性を得ることが出来る企業は多いでしょう。
■RPAと違うの?
RPAの一形態である「クラウド型」は、確かにiPaaSに近いですね。
iPaaSは、アプリケーション間を繋ぐ方法として、APIによる接続を基本としている点が異なりますが、成果物で言えば、同じような目的に利用できますね。
一方、RPA市場において主力サービスである「インストール型」とは、明確な違いが感じられると思います。
「iPaaS」と「RPA(インストール型」の利用時と比較してみましょう。
■iPaaSのメリット・デメリット
<メリット>
・利用にあたっての設備・知識のハードルが低く、割とすぐに利用できる。
・自動化のテンプレートがあるので、それに沿って選んでいくだけで実現できる。
・有名どころのiPaaSであれば、数百のアプリケーションを利用できる。
・RPAに比べると割安の場合が多い。
<デメリット>
・対象のアプリケーション以外は利用できない。
・決まったパターン以外の自動化はできない。
いかがでしょうか?
話をまとめると、
iPaaSのサービス内容に、自分がやりたい自動化がiPaaSにあれば、とても簡単に導入出来、料金も安く利用できる場合が多いのが特徴。
一方、RPAは、Windowsの画面上に映し出されるアプリケーションであれば、ほぼ自動化できるのが特徴。
実際の現場では、どちらか一方だけという訳ではなく、用途によって使い分けている会社も多いです。
RPAは使いこなすのに結構な知識が要りますが、iPaaSの方はナビゲーションに沿って入力していくだけで自動化が完成するお手軽さがあります。
逆に言えば、そこまで込み入った自動化には対応していないとも言えます。
ちなみに、マイクロソフトでは、2020年5月にiPaaSとRPAの両方に対応するようになりました。
個人的には、10年後くらいには、この分野でもマイクロソフトが一人勝ちする可能性もあるかもしれないと思っています。